栃木の大雨被害視察

9月10日。栃木県に大雨特別警報が出されました。

数十年に一度の大雨。

今まで栃木県は災害が少ない県だと思い育ってきたので衝撃でした。

幸い実家は浸水もしませんでしたが、常総市では家が流されるなど大きな被害が出ました。津波を思わせる川の水の脅威に震え上がりました。 

 

栃木県出身として今回の大雨被害に他人事ではいられず、地元のために何かをしたいと思いました。

 そんな時に知り合いの方からお誘いを受け、9月22日に栃木県まで被害の様子を確かめに行きました。

 

まず向かったのは栃木市栃木市も大きな被害が出た所です。

写真は栃木市のお隣の壬生市を走る惣社今井バイパス付近の黒川。

河川敷も広く堤防も高いため越水はしなかったようですが、木々が泥をかぶっており、氾濫寸前だったことが伺えます。

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イオン栃木店も水に浸かったそうですが、すっかり復旧しており、本当に浸水したのかわかりませんでした。

 

手がかりを探しに社会福祉協議会が運営している栃木市災害ボランティアセンターへ向かいました。

栃木市民会館に設置されており、ボランティアの受け入れ、マッチング、情報提供など様々なことを行っていました。

シルバーウィーク中ということもあり、100を超えるボランティアが作業に取り組まれていたそうです。部屋の泥出しなどのニーズが多いそうです。避難されている方も大勢いらっしゃり、9月22日時点では多いところで65人が避難していました。幸い全壊した家は無いようですが、床上浸水395件、床下浸水1322件と、広範囲にわたり被害があったことがわかります。

私たちは栃木市の中でも被害が大きかったという藤岡町へ向かいました。

まずは渡良瀬遊水地へ。

遠くまで平地が広がっていました。f:id:maien:20150927015843j:plain

大雨の時はおそらくここ一帯にも水が流入したようです。

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足元のコンクリートの色が白くなっています。ここまで水が来ていたことがわかります。河川敷も広く、堤防も高かったので大丈夫だろうと思っていましたが、ギリギリの状況だったことがわかります。

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途中で現地の方にお話を伺うことができました。

この一帯は昔から川が氾濫しており、各家庭にはボートがあり大雨のときは避難していたそうです。

歴史的に見ても水害は多いことがわかります。

私たちは歴史を過去のものとして軽視してしまいがちだと思いますが、過去の歴史を振り返り、未来の災害に備えていくべきだと思いました。

 

渡良瀬遊水池を後にし、藤岡町の甲に向かいました。ここは残念なことにお一人が犠牲になった地区です。 

 

実際に足を運んでみましたが、被害があったことが信じられないくらい綺麗な景色が広がっていました。ただこの地区は土地が低くなっており水が集まりやすいことが推測できました。まわりの田んぼでは稲刈りが行われおり、稲が無事で安心しました。

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ただ、栃木県全体では農作物の被害が大きかったようで、とても心配です 。

 

次はお隣の佐野市で佐野ラーメンを食べました!佐野ラーメンの写真は撮り忘れてしまいましたので文章でご勘弁ください。柔らかくちぢれた手打ちの麺に澄んだスープ。洗練されたおいしさでした。私は18年間この味で育ってきたので、佐野ラーメンを食べるとなんだか落ち着きます。駐車場には北関東各地のナンバーが停まっており、人気さが伺えました。

 

腹ごしらえをした後は鹿沼市へ。

鹿沼市も目立った被害が見えず、安心していたところ、目の前に悲惨な光景が広がっていました。 

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鹿沼の黒川の川岸の建物が3件ほど壊れていました。地図で確かめてみると、こちらの記事の男性の家だと思われます。

全壊の被害が出てしまったのはとても残念です。

  

夜は鬼怒川プラザホテルへと向かいました。露天風呂が崩落したあのホテルです。

一帯が温泉街で大きな旅館が立ち並んでいました。

夜だったので画像が荒いですが、露天風呂の部分が落ちていることがわかります。

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鬼怒川プラザホテルは11月1日から営業が再開される予定だそうです。

被害があったのはこのホテルのみで他のホテルは通常どおり営業しています。

しかし、風評被害でキャンセルが相次いでいるそうです

テレビでは鬼怒川温泉一帯が大きな被害を被ったように報道されていましたが、実際はそのようなことはありません。大雨の形跡はここ以外は見受けられませんでした。

風評被害をなんとか払拭したいと思いました。

 

 

大雨から10日経過しており目に見える被害はなくなっていましたが、浸水の被害で避難生活をされている方がまだいること、農作物の被害など、目に見えない被害がたくさんあることが分かりました。実情は把握しきれていませんので、情報を追っていきたいです。

また、堤防の重要さを身を持って実感しました。平常時は有り余るほどの河川敷や、高すぎる堤防に思えても、あと数メートルで越水するほどの高さまで水が迫っていたことを考えると、決して油断をしてはいけないことがわかりました。

 

 私の記事は断片的ですし、情報も正確とは限りません。

大雨被害に関する情報がありましたら教えていただけると嬉しいです。

色々な方の情報を集め、点を線にし、面にしていければなと思います。

 

(写真:菊池遼さん)